北斗星(1月23日付)

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 雪や氷が織りなす真冬の造形が楽しみな季節である。にかほ市の沿岸では、大荒れで岩に打ち付けられた波が白い泡となって宙に舞う「波の花」が見られた。十和田湖では「しぶき氷」が現れた。湖畔の木や岩に降りかかった波しぶきが凍り付き、バナナのように垂れ下がった姿がユニークだ

▼森吉山や八幡平の樹氷が見頃を迎える時期である。昨季は暖冬のせいか、やせて迫力のない樹氷が多かった。今冬は見事に成長したアイスモンスターと再会できるだろうか

▼樹氷にとって大きな脅威となっているのが地球温暖化だ。専門家によると、気温が1度上昇すれば樹氷ができる場所の標高は50メートル上がる。このまま気温上昇が続くと、今世紀末には大半の地域で樹氷が姿を消す可能性があるという

▼同じく樹氷が有名な山形県の蔵王では、数年前に起きた異変の影響が続いている。樹氷ができるアオモリトドマツ(通称モロビ)が広範囲で立ち枯れし、骸骨のような姿は目を覆うばかりの惨状だ

▼大発生した小さなガの幼虫に葉を食ベられて樹勢が弱ったところに、別の虫により幹に穴を開けられ枯れたらしい。森吉山は約200キロ離れているが、温暖化で虫の生息域が北上しないか気掛かりだ

▼過酷な環境に育つアオモリトドマツの成長は遅く、樹氷ができる大きさになるのに50年かかるとされる。一度枯れると次の木が育つまで気の遠くなるような時間が必要だ。真冬の風物詩も容赦なく破壊しかねない温暖化である。

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