北斗星(1月30日付)

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 今月初めの大雪は横手市で観測史上最大の193センチを記録した。ただし、この「観測史」は要注意だ。1973(昭和48)年から翌年にかけての「四八豪雪」を含んでいないからだ

▼「空前の豪雪、県民を恐怖へ」。74年1月27日付本紙1面に、そんな大見出しの記事が掲載された。列車の運行が全県でストップして2500人が車内で夜を明かし、各地の道路は雪崩や事故で寸断。この冬の積雪は横手で259センチ、大正寺(現秋田市雄和)で県内最大の270センチに達した。当時の資料には明治期の観測開始以来の「記録的な大豪雪」とある

▼気象庁は同年11月、無人の地域気象観測システム(アメダス)の運用をスタート。横手では79年、積雪の測定方法が「雪尺」という物差しからアメダスに切り替わった

▼気象庁の公式サイトには現在、各地で日々更新される「観測史上1位」の記録が掲載されている。そこには「観測環境が変わった時からの値」などの注釈が付く。全国のほとんどの地点ではアメダス以前の記録は比較対象外だ

▼四八豪雪当時の紙面には、雪にはまって動けなくなった乗用車を3人がかりで押す写真も載っている。今回の大雪でも各地で見られた光景。今も昔も変わらない雪国の姿だ

▼古くからの膨大なデータを電子化するのが困難なことは理解できる。だが、それで大災害の記憶が薄れてしまってはいけない。折に触れて当時の数字も伝え、かつて県民が経験した豪雪との闘いを語り継ぎたい。

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