社説:緊急宣言延長へ 医療逼迫の解消、最優先

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 政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づき11都府県に再発令中の緊急事態宣言を、栃木を除く10都府県で延長する。きょう2日に決定する。当初7日としていた期限は1カ月延長して3月7日までとする想定だ。

 首都圏などでは新規感染者数が減少傾向にあるとはいえ依然高水準で、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続く。入院先が見つからず自宅待機を余儀なくされる人や自宅で亡くなる人も増えている。医療逼迫の解消を最優先に取り組むべきだ。なぜ目標とした水準まで感染を抑制できなかったのか、しっかり検証し課題を明らかにした上で、実効性ある対策を講じなければならない。

 緊急事態宣言は感染急拡大を受けて先月、再発令された。解除するには「ステージ4」(爆発的感染拡大)と評価される感染状況を、少なくとも「ステージ3」(感染急増)相当に抑えることが必要だ。感染症の専門家はステージ3になってもすぐに解除せず、より低いステージへの移行が視野に入ってから判断すべきだと指摘している。

 厚生労働省の1月30日時点のまとめでは「直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数」が東京、神奈川、大阪など8都府県でステージ4だった。コロナ患者向けに確保した病床の使用率も高止まり状態。京都を除く10都府県が50%以上で、ステージ4のままだ。延長はやむを得ないだろう。

 現在は宣言対象の栃木は新規感染者数が水準を下回るなどしたため宣言を解除。一方、対象外の沖縄などで医療が逼迫している。今回沖縄は対象地域に追加しないが、今後の感染状況を見極め、強力な対策が必要な場合は柔軟に対応すべきだ。

 今の宣言は、夜の飲食の場を介した感染が多いとみられるとして、飲食関連を対策の柱としたのが特徴。飲食店に営業時間を午後8時までに短縮するよう要請した。また企業のテレワーク促進により、出勤者数の7割減などを目指した。

 営業時短については、協力する飲食店が2割程度にとどまる地域もあるという。テレワークは前回宣言時より浸透度が低い。感染力が高いとされる変異ウイルスが国内で確認され、その感染拡大の未然防止も重要な課題だ。早急に感染抑制対策全体を見直さなくてはならない。

 コロナ感染者の医療逼迫は、通常の医療にも影響を及ぼす。コロナ対応のために医師らスタッフが足りなくなるからだ。感染者の入院先などを調整する保健所からも限界を超えているとの声が上がっている。一刻の猶予も許されない状況だ。

 与野党はコロナ特措法と感染症法の改正案について刑事罰を削除することなどで合意。あす3日に成立する見通しだ。だが飲食店などに対する行政罰の過料制度は残っている。要請に協力する事業者への支援に重点を置くべきだ。政府には罰則適用に慎重な姿勢を求めたい。

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