北斗星(2月7日付)

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 「日本の将来、世界の未来をたたえる大シンフォニーたらしめたい」。さまざまなコンサートや式典などで演奏され、県民に親しまれてきた楽曲「大いなる秋田」がCD化された際、作曲家の石井歓さん(1921~2009年)は解説文にこう記している

▼「秋田を素材として秋田県人の皆さんの為(ため)に」作曲したとも述べているが、それだけにとどまらない普遍性を持つ音楽だとの自負があったのだろう。本県出身者らの努力もあって東京や仙台市でも演奏され、多くの人を感動させてきた。さらに広く親しまれてほしい

▼石井さんの父は三種町出身の世界的舞踊家、石井漠。その縁で1968年、県に作曲を依頼された。東京生まれの石井さんは少年時代、父の故郷を度々訪れ野山を駆け回った経験の持ち主。秋田への思いは強かった

▼管弦楽曲やオペラ、合唱曲と作品は多彩だ。漠の舞踊の音楽も作曲している。全日本合唱連盟理事長を務めるなど、合唱の普及に尽力した。今年は生誕100年の節目。県民に貴重な贈り物をしてくれた恩返しに、残された作品の魅力を秋田から発信していけたら素晴らしい

▼それにつけても恨めしいのがコロナ禍だ。感染拡大が始まった昨年以来、演奏会もままならない。ようやく国内でもワクチン接種の開始のめどが立ってきた。一日も早い収束を願う

▼収束後はやはり、「大いなる秋田」の演奏会を期待したい。第3楽章の県民歌を大勢で声を張り上げ歌える日が待ち遠しい。

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