社説:福島・宮城で震度6強 災害への備え再点検を

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 宮城、福島両県で13日深夜、震度6強の地震が発生した。両県や関東などで150人を超える負傷者が確認されたほか、鉄道や高速道路に影響が出ている。本県でも各地で震度4、震度3が観測された。

 宮城、福島は16日にかけて大雨、暴風となる予報。地震により地盤が緩み、土砂崩れが発生する恐れもある。各自治体などは引き続き状況を見極め、住民に迅速な避難を促すなど、被害の拡大を防いでほしい。政府は必要な支援策を遅滞なく実施するべきだ。

 2011年3月11日の東日本大震災から10年を目前にしての強い地震だった。気象庁によると、震源地は福島県沖で震源の深さは約55キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・3と推定される。大震災の余震はいまだに続いており、今回も余震の一つと考えられる。

 東北の太平洋沖を震源とする最大震度6強の地震は11年4月以来。なお1週間は同程度の地震に注意が必要という。政府の地震調査委員会は今後の長期的な地震活動について、高い津波を引き起こす可能性もあるとしており、津波への警戒も怠ってはならない。

 東北新幹線の設備が被災し、一部で運休が続いている。秋田新幹線は一時運転を見合わせていたが、15日に盛岡―秋田間で減便して運行再開。全線で運転再開するには10日前後かかるとみられる。福島県相馬市の常磐自動車道では道路脇の斜面が崩れ、上下線で通行止めとなっている。

 こうした交通機関の乱れを受け航空、バス会社は臨時便を出すなど対応に当たっている。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、県境を越えた移動は自粛傾向が続くとはいえ、首都圏との往来が必要不可欠な場合も多い。各交通機関は市民の足確保に努めてほしい。

 東北と関東などでは一時最大90万戸を超える停電があった。また約3万6千戸が断水し、自衛隊が給水活動を行った地域もあった。大震災以降に積み重ねてきた防災の備えが十分機能したか、新たに浮上した課題はなかったか、検証が必要だ。

 福島県では18市町村に計70カ所の避難所が開設され、最大203人が身を寄せた。震度6強だった相馬市では入り口の消毒、検温を徹底したほか、新型コロナ対策として世帯ごとにテントで間仕切りを設け、定期的な換気も行った。避難した住民からは「安心して過ごせた」と好評だった。

 今後、より多数の住民が長期にわたって避難生活を強いられることもあり得る。大震災では関連死と呼ばれる死者も出ている。そうした悲劇を繰り返さないため、一層、避難住民に寄り添った避難所運営を行う必要がある。感染症流行などが震災に重なった場合も想定し、安全な避難生活を送れる体制づくりを進めたい。

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