北斗星(2月17日付)

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 時を超えて子どもの頃の自分と向き合うことが力になった―。歌手アンジェラ・アキさんが10代の頃に未来の自分宛てに書いた手紙を、大人になって読んだ時の心境だ。「未来への手紙」(講談社)という本の中で振り返っている。この体験がヒット曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」の作詞作曲につながった

▼交友関係の悩みなどを素直につづった手紙。30歳になったら渡すように母に託した。励ましの言葉は何もないが大人になった自分の背中を押してくれるように思えたという。悩みに向き合う思春期の純粋な気持ちがよみがえり、勇気が湧いてきたのだろう

▼本県にも未来への手紙を書く子どもたちがいる。男鹿市内6小学校の4年生約120人は10年後の自分に宛てた年賀状作りに取り組んでいる

▼市PTA連合会などが企画。副会長の海道利夫さん(43)によると、目立つのは新型コロナウイルスへの言及。「未来はコロナなくなった?」「マスクは着けなくていい?」などと率直な問いが多く、収束への願いが垣間見える

▼一方で未来への期待もあふれている。「プロ野球選手が夢」「保育士になりたい」などと記し「夢に向けて頑張れ」とエールを送る子どももいる。海道さんは「コロナ禍の不安の中でもしっかり前を向いている。それを思い起こすことが10年後の自分に大切なメッセージになる」と語る

▼年賀状は日本郵趣協会が保管し、2031年に届けられる。きっと誰の言葉より胸に響くことだろう。

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