雑誌「種蒔く人」創刊100年 顕彰会「今こそ耳を傾けて」

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 日本のプロレタリア文学運動の先駆けとされる雑誌「種蒔(たねま)く人」が秋田市土崎港で創刊されてから、25日で100年の節目を迎える。県内では秋田市立土崎図書館に関連資料を常設展示する資料室があり、民間の「種蒔く人顕彰会」が顕彰活動に取り組むものの、県民の認知度は低いというのが関係者の共通した認識だ。文学博士で顕彰会会長の北条常久さん(82)は「『種蒔く人』の反戦平和、平等、差別撤廃という現代に通じる問い掛けに、今こそ耳を傾けてほしい」と話す。

 土崎小で同級生だった小牧近江(こまきおうみ)、金子洋文(ようぶん)、今野(いまの)賢三を中心に1921(大正10)年2月に創刊し、24(同13)年1月の別冊「種蒔き雑記」を最後に姿を消した。創刊号から3号まで土崎港で印刷されたことから「土崎版」、その後は東京で印刷、発行されたので「東京版」と呼ばれる。

 創刊の中心的な役割を担った小牧は16歳で渡仏し、パリ大学などで学んだ。滞在中の10年の間に、第1次世界大戦(1914~18年)に遭遇し、フランス人作家アンリ・バルビュスが唱える文学を通した反戦平和運動(クラルテ)に共鳴。帰国後、クラルテを日本でも実践しようと創刊したのが種蒔く人だった。

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