社説:[2021知事選]新型コロナ対応 感染抑制と支援策示せ

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 新型コロナウイルスへの対応は感染抑制策や医療体制の維持、経済対策など多方面に及ぶ。収束へ向けた道筋が見えない中、県政喫緊の重要テーマだ。

 感染抑制のため大きな期待が寄せられているのがワクチン。供給量は現時点で十分なものとはいえず、県民への具体的な接種スケジュールがどのように進んでいくのかも依然として不透明な部分が多い。

 必要量の確保と供給は一義的に国の責任だが、市町村を支援して接種を迅速に進めるため、県が果たすべき役割は大きい。医療機関や医師会などとの連携を一層強め、各地の保健所を有効に活用してスピード感を持って進めなくてはならない。

 県の公式サイト「美の国あきたネット」には新型コロナに関するページが用意され、ワクチンについての情報も掲載されている。だが、それらは国や市町村の情報をまとめたものにとどまり、県が主体的に発信しようとする姿勢に乏しいのではないか。接種に不安を覚える人への対応も含め、ワクチンに関する詳細な情報の提供もより積極的に行ってもらいたい。

 感染が広がる局面では、通常医療体制の維持が重要課題となる。秋田市立秋田総合病院と横手市立大森病院で1月に起きたクラスター(感染者集団)では、外来診療などの停止が長期に及び、地域医療に及ぼす影響の大きさを再認識させられた。

 感染者の受け入れなどについては、県が中心となって病院間での分担などを決めてきており、これまでに大きな問題は生じていない。しかし今後、より大規模な病院内クラスターが発生しないとも限らない。

 医療崩壊という最悪の事態を避けるためには、感染者の入院受け入れなどで地域の医療機関がより緊密に連携して対処することが欠かせない。調整役として県が果たすべき責務は大きく、より主体的に関与する姿勢が求められる。

 県内の累計感染者数は20日現在、277人で、死者6人となっている。いずれも全都道府県レベルで見ると少ないとはいえ、経済への影響は決して小さいものではない。

 県は昨年、プレミアム飲食券や宿泊券の発行といった独自の施策を展開し、一定の効果を上げた。しかし全国的な感染拡大に歯止めがかからない中、県内の商業関係者らからはさらなる支援を求める声も上がる。

 2月県議会では生活困窮世帯と子育て世帯への1人1万円分の商品券配布事業が予算化されたが、配布時期は8月がめどとされている。支援を必要としている人たちに迅速に届けるため、県民の目線に立った県の対応が何より望まれるところだ。

 感染抑制策と経済対策の両立は難しく、どうバランスを取るかが問われる。各候補には、実効性ある施策を具体的かつ分かりやすく有権者に訴えることを求める。

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