北斗星(3月25日付)

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 本を読むときに、あると助かるのがブックカバーだ。単行本にしろ、文庫本にしろ、大切な一冊が傷つかないように守ってくれる。布製や革製も味わい深いが、やはり書店員が手際よく包んでくれる紙製が手になじむ

▼同じように、しおりも読書に便利な品物だ。出版社によっては、パンダや猫のイラストのしおりが本に付いてくる。それに引かれて買う人もいるのでは。あらかじめ本に付いているひものしおりも重宝する

▼秋田市の山王幼稚園園長・大山重幸さん(67)は、この春卒園した園児90人に手作りのしおりを贈った。趣味の切り絵を生かした。犬やウサギ、ロケットなど8種類の絵柄に「夢」、あるいは「福」の文字を組み合わせたオリジナルだ

▼赤、青、緑など色とりどりの和紙を切り抜いて組み合わせ、ラミネート加工した。1枚作るのに1時間ほどかかるが、子どもの笑顔を思い浮かべれば苦にならない。別の幼稚園の園長時代も含め6年間で計550人余にプレゼントした

▼大山さんが切り絵と出合ったのは学生時代。色彩のコントラストがはっきりしているところが魅力という。小学校の教諭時代には多忙で遠ざかったこともあるが、校長になった14年前から再び熱中。今では秋田工芸展で入賞するほどの腕前だ

▼卒園生には「小学生になったら、たくさん本を読んでほしい」と願う。本は人生を耕し、未知の世界へいざなってくれる。手元に愛着のあるしおりがあれば、読書の楽しみはぐんと増す。

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