北斗星(4月1日付)

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 3年前、ぼうこうがんの診断を受けた。幸い発見が早く、切除で完治した。骨身に染みたのはがんの早期発見・治療には定期的な検診が欠かせないということ。経過観察中の今も、半年ごとの検査を何より優先している

▼日本対がん協会は先週、昨年実施した胃、肺など五つのがんの集団検診で、受診者数が前年に比べ3割減ったと発表した。コロナ禍で「密」になる場所を避けようとする受診控えが目立つという

▼協会の推計では、検診を見合わせた影響でがんが見つかっていない可能性のある人は2100人に上る。がんは検診以外にも他の病気の治療中に偶然発見されることが少なくない。協会は通院を控えている患者などを加えると、がんが見つかっていない人の数は優に1万人を上回るとも推計する

▼感染への恐怖が検診や通院に二の足を踏ませる。受診を先送りしている間にがんが進行し、治療の選択肢を狭める。受診控えの陰にこうした悪循環が潜んでいるのではないかと考えると、胸が痛む

▼検診控えの状況は今後も続く可能性がある。医療関連企業のインターネット調査では、40代以上の3人に1人が「2021年度はがん検診を控えたい」と回答した。このうち6割が「コロナの感染リスク」を理由に挙げた

▼先週、新型コロナの変異株ウイルス感染疑い例が県内で初めて確認された。きょうから4月。年度は改まってもコロナとの闘いは続く。厳しい現実だが、感染予防もがん対策も怠りたくない。

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