北斗星(4月3日付)

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 夢を諦めず自分を信じて進み、32歳で関取の座をつかんだ。初土俵から実に10年後のことだった。その後は腰のヘルニアに悩まされながらも幕下と三段目を行き来して現役であり続けた

▼現在42歳。美郷町出身の元十両、華王錦(本名・村田武志)が引退を発表した。所属する東関部屋の閉鎖を機に、土俵人生にピリオドを打った。春場所は腰痛のため休場していたが最後の一番で復帰し、土俵際で逆転勝利。有終の美を飾った

▼長い力士生活では師匠の元東関親方(元関脇高見山)をはじめ周囲の支えが大きかったという。「苦しい時ほど声を掛けてくれる人を大事にしてほしい」。引退に当たり、同郷の後輩に向けて語った

▼学生相撲出身で2001年に角界入り。その頃は県内出身者の関取不在が続いており、1学年下でやはり学生相撲出身の豪風(現・押尾川親方)と共に期待された。序ノ口で全勝優勝するなど三段目まではとんとん拍子だった

▼だが足指の骨折や腰痛でペースダウン。幕下付け出しデビューの豪風に遅れること半年、ようやく幕下に昇進した際にインタビューすると「(学生時代の)同期がみんな順調に上がっていたので」と苦笑した

▼そんなプレッシャーとの闘いでもあっただろう。悲願の十両昇進時は本紙に「諦めない気持ちを持ち続けることが大事」とのコメントが載った。数々のけがを乗り越えてきた思いが込められているだけに重みがあった。不屈の精神を示した20年。お疲れさま。

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