社説:知事選、佐竹氏4選 人口減対策、さらに力を

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 4人が争った知事選で現職の佐竹敬久氏が4選を果たした。収束の見通せない新型コロナウイルスの感染拡大と歯止めがかからない県人口の減少に直面する中、さらに4年間、県政運営の先頭に立つことになる。

 「当選したとしても、もう1期しかやらない」と選挙前に語っており、総仕上げの4年間となるに違いない。いかにして将来展望のある秋田を創出し、次にバトンを渡すかが問われる。

 県人口は1月、95万人を割った。2045年には60万2千人にまで落ち込むとの推計がある。この厳しい数値を常に直視して政策を進めなければならない。困難な仕事ではあるが、それこそが県政のリーダーに託された県民の願いだろう。

 佐竹氏が今回掲げた人口減対策を見てみる。▽地元中核企業の成長分野への参入▽企業誘致による雇用の場創出▽賃金アップにつながる企業合同や協業化▽女性層への魅力ある職場づくり▽秋田暮らしの魅力発信による移住促進―などに最も力を入れるとしている。

 問題は各施策を実現するため、具体的にどんな取り組みを進めるかだ。県民に分かりやすい形で個々の目標値を掲げ、これに基づいた将来像を示すことが必要だろう。秋田市の現在の人口に当たる30万人以上が減少する24年後への不安を払拭(ふっしょく)するためには、それが不可欠だ。

 新型コロナ対策では、東京一極集中などの解消が課題として浮上。そこで注目されているのが、旅先で休暇を楽しみながら仕事するワーケーションや地方移住などの促進だ。

 県は既に対策に取り組んでいるが、さらに加速する必要がある。豊かな自然環境や伝統文化、質の高い教育といった本県の良さと結び付けて発信するだけでは十分とは言い難い。

 食料供給基地としての本県の農業振興を図ることも併せて考えたい。自然災害が頻発する中、就農希望者を強力に支援する仕組みを整えることができれば、移住者増加にもつながり得る。第1次産業の活性化は地方の力を取り戻すために不可欠であり、大胆な発想を期待する。

 人口減対策を進めるには、各目標値と施策を密接に関連付けて運用することも重要となる。そのためには、これまでの3期12年をしっかりと検証して県政に生かすことが不可欠だ。

 新型コロナについては「今ある危機」に向き合うとした。県政のリーダーとして、県民の命を守ることに力を注ぐべきなのは言うまでもない。急速な感染拡大に備えて医療関係者や団体などと連携、迅速に対応できる体制をさらに強化すべきだ。

 感染拡大で打撃を受けている業者や個人への対応も重要だ。自らの基本理念「生活者本位の幅広い思考」の下、きめ細かな支援を充実する必要がある。生活者である県民の声にこれまで以上に耳を傾け、県政運営に全力を挙げなければならない。

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