北斗星(4月6日付)

お気に入りに登録

 由利本荘市の国指定史跡「鳥海山」森子大物忌(おおものいみ)神社で例年4月に行われる例大祭は、熱気に満ちている。住民が数百キロのみこしを担いで集落を巡る。最後に力を振り絞って約300段の石段を駆け上がるさまは圧巻だ。昨年はコロナ禍で中止に。今年はどうなるだろうか

▼初めて例大祭を見た時は、担ぎ手が石段を上った後に大声を発し、みこし殿の扉や壁を手でバタバタとたたく「乱声(らんじょう)」に驚いた。厄よけの意味があるとされる。激しい動作と大きな音に建物が壊れるのではと心配になった記憶がある

▼そんな風習がミャンマーの光景と重なるとは思いも寄らなかった。国軍のクーデターや弾圧に対し、市民は鍋や段ボール箱を盛んに打ち鳴らして抗議を続けている。大きな音で悪霊を追い払う風習にちなんだ行動だという

▼職務を放棄する「不服従運動」や主要道路にごみを積み上げる運動も展開。どれも平和的な抵抗だ。だが国軍の弾圧は苛烈さを増す一方。治安当局の銃撃などで500人以上が犠牲になったとされる

▼「自国民に銃口を向け、ためらいもなく殺すなんて。耐えられない」。都内に住むミャンマー出身の友人が先日、悲痛な思いを訴えてきた。惨劇に心をかき乱されているようだった

▼16日の日米首脳会談を前に「菅首相とバイデン大統領が打開策を話し合ってくれないだろうか」と、友人は期待感をにじませた。流血阻止と民政復帰。多くの人が両首脳に望みを託し、会談の行方を見守っている。

秋田の最新ニュース