社説:コロナ変異株拡大 「第4波」へ備え固めよ

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 「まん延防止等重点措置」の適用地域で、新型コロナウイルス感染者の増加が止まらない。大阪府、兵庫県では昨日、新規感染者数がともに過去最多を更新した。政府は感染再拡大が首都圏や他地域に波及するのを全力で阻止しなくてはならない。

 大阪府では感染者急増で病床が逼迫(ひっぱく)していることから独自基準「大阪モデル」に基づく警戒度を最高の「赤信号」に引き上げ、医療非常事態宣言を出した。この宣言は昨年12月~今年2月末に続き2度目。

 ウイルスの変異株が感染再拡大の要因の一つとみられる。大阪や兵庫では英国由来の変異株の割合が他地域より高い傾向を示し、3月下旬には検査対象者のうち過半数を占めた。

 英国型の変異株は感染力が従来に比べ高いといわれる。日本では昨年末に上陸が確認され、専門家から国内流行を懸念する声が上がっていた。その警告を生かし切れなかったのは何とも残念だ。

 政府関係者が変異株の脅威を共通認識としたのは先月末のこと。今月ようやく自治体に変異株を含む検査強化を要請した。もっと迅速な対応が必要だ。

 重点措置が適用された宮城県で、仙台市が過去にさかのぼって感染者の検体を調べたところ「E484K」と呼ばれる変異株が多数検出された。一部のワクチンの効果を弱める可能性が指摘される変異株でこちらも要警戒だ。

 本県では感染確認の2人が変異株の疑い例となり、国立感染症研究所の検体検査で今月2日に英国型と確認された。厚生労働省によると変異株の確認は38都道府県に広がっている。人の移動が活発化する時期、地方でも警戒を強める必要がある。

 流行の第1波を受けて政府が緊急事態宣言を初めて発令してから1年。宣言は5月下旬に全面解除されたが、その後、夏の第2波、冬の第3波と流行が繰り返された。現在は感染が再拡大する地域が広がりつつある。その要因ともみられる変異株を何とか封じ込めたい。

 変異株も基本的な感染予防策は従来のウイルスと変わらないという。しかし感染力が強い分、より徹底した対策を講じなくてはならない。

 緊急事態宣言が解除となって自粛疲れからの気の緩みが目立つ。花見などの行楽期と重なって人出も再び増えつつある。東京都で昨日、感染者が500人を超え、全国では1月30日以来の3千人超となった。首都圏をはじめ全国に再び感染が広がりつつある。

 感染再拡大で医療が逼迫すればワクチン接種にも影響する。必要に応じて重点措置や緊急事態宣言を視野に入れたい。

 一人一人の予防対策の徹底が欠かせない。そして何より政府や自治体は変異株を含めた迅速な検査、医療提供体制強化で、現実味を増す「第4波」への備えを固めることを急ぐべきだ。

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