社説:佐竹知事4期目 人口減対策を最優先に

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 佐竹敬久知事の4期目の任期がきょう20日始まる。自ら4期目が最後と明言しており、総仕上げの4年間となる。これまでの3期12年は、県民の要望が多い人口減少対策などで物足りなさが残る。秋田の未来のために一層地に足の着いた取り組みを重ね、目に見える成果を県民に示してもらいたい。

 4期目に入るのを前に、佐竹知事は新たに2人の副知事を起用する方針を決めた。いずれも県庁生え抜きの神部(じんぶ)秀行理事と猿田和三産業労働部長である。県議会の同意が得られれば、24日に就任する見通しだ。

 副知事を県庁内から同時に2人起用するのは異例と言える。佐竹知事も県総務部次長などを歴任した。知事と副知事計3人が県庁出身者となる。県民の声に耳を傾け、県民ニーズと懸け離れた県政運営に陥ることのないよう十分に緊張感を保っていくことが必要だ。

 県政の最重要テーマは言うまでもなく人口減少対策だ。ピーク時の1956年に135万人だった県人口は今年1月に95万人を割り込んだ。秋田魁新報社が先の知事選期間中に実施した電話世論調査では、知事に力を入れてほしい政策や課題は「人口減少・少子高齢化対策」が最多だった。

 人口減が止まらない地域の先行きに県民が不安を募らせている。その思いを真摯(しんし)に受け止め、行動に移していかなければならない。手腕が改めて問われることになる。

 佐竹知事は最近、人口減対策として、中小企業の再編、統合の必要性を盛んに訴えている。統合を進めることで、企業の生産性や従業員の賃金を高め、若者にとって魅力ある職場を増やして人口流出に歯止めをかける―。そんな展開を思い描いているようだ。「県で目標をつくり、企業の統合を支援したい」と述べるが、具体的な内容は明らかになっていない。

 県内企業はほとんどが中小企業であり、その行く末は県民の暮らしに直結する。企業の統合がなぜ今必要なのか、どのような支援策を考えているのか。まずは丁寧に説明するべきだ。

 知事選で初当選した2009年に「一丁目一番地」と位置付けた産業振興は、引き続き重点的に取り組まなければならない。佐竹知事が注力する輸送機産業は集積が進んだが、本県の主要産業と言えるまでには成長していない。農業は園芸作物の生産を一層推進することで、産出額を伸ばす余地がまだある。

 喫緊の課題である新型コロナウイルス対策では感染拡大防止を図りながら、地域経済を下支えしていくことが求められる。コロナ禍で苦しむ人たちの支援にもさらに力を入れるべきだ。

 4期目に求められるのは無難な県政運営ではない。これまでの施策を確実に仕上げ、一つでも多く具体的成果を上げなければならない。それこそが県民の希望につながる。

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