秋田の落穂(7)ジンジョサマのひみつ

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「ゆきゆきて出羽路」の番外編「秋田の落穂」。今回の取材先、山田のジンジョサマは、神さまとして以外にもお地蔵さま、菩薩さまとしても信仰されるなど多様な側面があるらしく…… ?

ジンジョサマのひみつ


【宮】2018年から毎年取材させていただいている山田のジンジョ祭り。「角川武蔵野ミュージアム」に展示用の人形も含めると、ジンジョサマの制作をこれまで4回も取材させていただいたので、思いもひとしおです。

【小】ジンジョサマには不思議がいっぱいあります。ジンジョサマは男女2体で祭られていますが、実は3体いらっしゃるようです。道祖神は「塞三柱」(さえのみはしら)と呼ばれるように、ヤチマタヒコ、ヤチマタヒメ、クナトという三柱の神様として祭られることが多いのですが、ジンジョサマの女神はクナトで男神はヤチマタヒコとヤチマタヒメが一体になっている姿だと。

【宮】男神が男と女の両性を兼ねてしまうという考え方が興味深いです。男神のおっぱいが大きい理由はその辺にあるかもしれませんね。


【小】ジンジョサマとは地蔵様のこと。名前だけでいえば神様ではなく仏教の地蔵菩薩なんです。

【宮】でも、全然お地蔵さんにみえないです。村はずれにある、という点では似ているけれど。

【小】地蔵は現世と地獄との間で人間を救う菩薩なので、境界を守るという共通点から道祖神と一体化しているんです。

【宮】なるほど!

【小】ジンジョサマには道祖神や地蔵様という一面があると話しましたが、実は、さらにもうひとつの顔があるんですよ。ジンジョサマは日本神話に出てくるスサノオノミコトだとも言われています。

【宮】スサノオノミコトとは、ヤマタノオロチ退治の神話で登場する神様のことですか?

【小】そう。スサノオは古くから疫病退散の神様でもあり、人間の身代わりとなってくれる人形の原点でもあると信じられてきました。

【宮】さまざまな信仰がミックスされているのですね。信仰の内容もさぞかし複雑だろうと思いましたが、確認してみると「悪疫退散」、「子孫繁栄」、「五穀豊穣」と願いは至ってシンプルでした。ジンジョサマは集落の暮らしに合わせて、ゆっくり変化されてきたのだと思うと感慨深いです。

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