北斗星(4月22日付)

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 「平和の祭典」の雲行きが怪しくなってきた。東京五輪・パラリンピックの延期決定から1年余りが過ぎた。五輪開幕まで3カ月となったが、去年と同じような空気が流れている

▼聖火リレーは先月25日、福島県をスタートした。だが新型コロナウイルスの変異株が拡大。大阪府では公道でのリレーを中止にした。松山市では昨日、点火セレモニーのみ実施。来月初旬の沖縄本島も公道でリレーを行わない方向だ

▼共同通信の世論調査では、聖火リレーを最後まで継続すべきだとした人は13・2%。全国を巡るイベントへ厳しい視線が注がれている。希望の火は大会機運を高めるには至っていない

▼開催に前のめりだった自民党の二階俊博幹事長が「とても無理というならやめないといけない」と述べた。「五輪で感染をまん延させたとなれば、何のための五輪か分からない」とも。後に釈明したが、与党幹部の言葉は重い

▼感染は日本だけの問題ではない。世界でも広がっている。世界保健機関(WHO)は「危機的な時期に入った。パンデミック(世界的大流行)は急激に拡大している」と警鐘を鳴らす

▼五輪には約1万1千人、パラで約4400人の選手のほか、関係者も世界から大勢集まる。米紙ニューヨーク・タイムズが五輪開催は「最悪のタイミング」と報じるなど海外から厳しい指摘が続く。国内でも否定的な声は根強い。開催意義は何なのか。大会組織委員会は国民が納得できるような説明をしてほしい。

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