北斗星(4月23日付)

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 首都圏にいる友人に先日、こう打ち明けられた。「大好きな秋田のおばあちゃんが亡くなった。でも家族からは『帰って来るな』と言われた」。新型コロナウイルスの感染を広めるのでは、と敬遠され、爪はじきに遭ったように感じたのだろう

▼東京と長野を行き来しながら暮らす別の友人は最近、長野のナンバーの車を購入した。「東京のナンバーだと、長野で白い目で見られてしまう」と顔を曇らせた

▼コロナ禍によって生み出される首都圏と地方の感情の溝。そこに感染力の強い変異株という不安要素が追い打ちをかける。どこまで溝が深まるのか、見通せない

▼政府はきょう、東京都、大阪府、兵庫県などへの緊急事態宣言発令を決定する方針だ。飲食店への営業時間短縮要請を中心とした「まん延防止等重点措置」が適用されていたにもかかわらず感染状況や病床逼迫(ひっぱく)は深刻化。より強い対策が必要な事態に追い込まれた

▼前回の宣言が全て解除された時点で、地域によっては既に感染再拡大の兆しが現れていた。「自粛疲れ」や「宣言慣れ」の中で、幅広い施設への休業要請ができない重点措置で抑制しようとするには無理があった

▼緊急事態宣言の後に重点措置を適用し再び宣言発令へ。切り札を乱発すればするほどその効果は薄まっていく。今回の宣言を受け商業施設への休業要請に踏み込む可能性もあるようだ。爆発的感染に至ってから人の流れが抑制されても遅過ぎる。そのような悪夢は回避せねば。

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