北斗星(4月26日付)

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 雨にぬれて雑草までが鮮やかに映る。菜園ではアスパラガスがニョキニョキと伸びる。端の方で咲くスイセンの黄色はレモンのように鮮明だ。百穀を潤す「穀雨」も過ぎ、植物が緑を増す頃となった

▼春の雨を「万物生(ばんぶつしょう)」とも言う。生きとし生けるものに生気を与え、育むからだ。ワサビの花もこの季節ならではのものなのだろう。葉や茎を食べる山菜としてもらった際、一部を鉢に植えた。3週間後に白くてちっちゃな十字の花を何輪もつけた

▼鼻にツーンとくる辛味があるのに、こんなにもかれんに咲く。不思議でならない。もともと秋田市河辺岩見の川沿いにある林に生えていた。山あいの清涼な水を好むワサビ。贈り主が言う。「雪解けが早かったせいか4月初めには採れた。岩見地区は水がきれいですから」

▼ホームセンターには野菜苗が並ぶ。今年は何を植えよう。収穫時を思い描き、あれこれ考えるのも面白い。採れたてのキュウリを頬張る。新鮮なトマトでパスタを作る。楽しみ方は人それぞれだろう

▼昨春以降、家庭菜園を始めた人が全国で増えている―種苗会社の昨夏の調査でこんな結果が出た。外出自粛で家にいる時間が増えたことも一因らしい。子供を含め家族で作る例も多い。自分で育てれば苦手な物も好きになるかもしれない

▼意外にも野菜の花は美しい。色はトマトが黄、ナスは紫。独特の香りがするニラは白。ワサビのように小さな花がたくさん、秋に咲く。造化の妙を見る思いがする。

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