北斗星(4月28日付)

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 「新型コロナウイルスのワクチン接種券が届かない」。秋田市に住む90歳近い母から先日相談された。接種券は今月中旬以降、80歳以上の市民約3万5千人から無作為に選んで送付されている。「今回は残念」と答えていたら、昨日「ようやく届いた」と連絡があった

▼ところが「遅くなっても、かかりつけ医で受けたい」との希望だった。接種会場が家から遠いことや人が多く集まることへの警戒感からか、集団接種に抵抗があるようだ

▼これまでは主に都市部向けだった高齢者用ワクチンの配送が全国の市町村向けに始まった。県内での接種もいよいよ本格化するだろう。先着順で予約の受け付けを始めた市町村もあるが、申し込みが殺到して電話が通じないなどの混乱も生じている

▼ワクチン供給の先行きへの不安も要因の一つだろう。県外では電話がつながらないことに業を煮やした高齢者らが窓口に押し寄せた例も。一日も早く接種を受けたい気持ちはよく理解できる

▼母からは「個別接種はいつ始まるのか」とも問われた。「6月以降かな」と答えたものの、それとてワクチン供給量や受け入れる医療機関の準備次第だ

▼菅義偉首相は高齢者接種を「7月末をめどに終えたい」と明言している。全国の高齢者は約3600万人。集団接種や個別接種のほか、在宅介護の高齢者には訪問接種も必要だ。接種体制を整えることは容易ではない。国や県は市町村任せにせず、しっかりとバックアップしてもらいたい。

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