北斗星(5月1日付)

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 幼い頃、交通事故に2度遭ったことがある。最初は2歳の時に自宅前で、2度目は小学3年の時に登校中、車にはねられた。現場はいずれも横断歩道のない道路。当方にも飛び出しや無理な横断という問題があった。幸い大事には至らなかったが、親から「落ち着いて行動しなさい」と口を酸っぱくして言われて育った

▼県内では今年、子どもが巻き込まれる交通事故が多発している。県警によると、先月29日までに起きた中学生以下の事故は11件。過去5年の同期比で最多だ

▼同19日には由利本荘市岩城の国道7号で横断歩道を渡っていた女子中学生が路線バスにはねられて亡くなった。県内で中学生以下の死亡事故が起きたのは2014年3月以来。多くの県民が胸を痛めたことだろう

▼横断歩道で歩行者が事故に遭う例が後を絶たない。「横断歩道は歩行者優先」というごく当たり前の交通ルールが守られていないのが実情で全国共通の課題でもある

▼横断歩道の事故をなくそうと県警が12年に始めたのが「手で合図し合う運動」だ。歩行者が手を上げると、運転者が「はい止まりましたよ。どうぞ」と手で合図を返す。単純明快で他者への思いやりがにじむ双方向の動作が気に入り、励行している

▼「歩行者と運転者がルールを守り、互いを思い合えば交通事故はなくなると信じています」。先月23日付社会面の連載「いのち守るには」で紹介された交通事故遺族の訴えだ。歩行者も運転者も胸に刻み行動したい。

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