北斗星(5月4日付)

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 あれっ、誰だったかな。名前を見ても顔が思い出せなかったり、顔を見ても名前が思い出せなかったりする。歳を重ねたせいではない、と思いたい

▼最近は誰でも人前でマスクを着けるのが当たり前になった。これが顔を覚えたり、思い出したりする難易度を上げているのだろう。着用の日常化による不便さは他にもある

▼国内マスク最大手の企業は先月、口元が外から見えるよう透明なフィルムを使ったマスクを数量限定で発売。すぐに完売した。耳が不自由な人たちが口の動きを見て会話の内容を読み取れるように開発。マウスシールドとは異なり、飛沫(ひまつ)の拡散が少ない。販売再開の時期は未定だ

▼聴覚障害者団体によると、口元を読み取ることが多いのは、ある程度やりとりが想定される場面。例えばスーパーやコンビニのレジで店員から箸やレジ袋が必要かどうか尋ねられる時などだ

▼マスクを着けていると表情も伝わりにくい。「介護者の表情が見えずに不安を感じる」「子どもたちが保育者の表情に触れる機会が減る」といった懸念もある。コミュニケーションが重要な場にも透明マスクが広まるといいかもしれない

▼マスクを着けずに誰とでも会える日が待ち遠しい。一方で新型コロナウイルスが収束しても他の感染症もあり手放せない気もする。いずれにしろ今はしっかりと着けて出掛けたい。透明マスクがどこまで普及するかは分からない。当面は顔を忘れないよう、記憶力に磨きを掛けるしかないか。

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