社説:食育基本計画 地場産給食、一層充実を

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 農林水産省が「第4次食育推進基本計画」を策定した。期間は2021年度から25年度までの5年間。食育基本法に基づき、家庭や学校、地域での取り組みに力を入れる。

 国民一人一人に食に関する正しい知識を身に付けてもらい、栄養バランスの取れた健全な食生活を広く浸透させるのが食育の大きな目的だ。乳幼児期の家庭での食育に始まり、小中学校での給食や農林漁業体験による生産者と消費者の交流、食品ロス削減運動といったさまざまな取り組みの推進を、数値目標を示しながら促している。一つ一つを着実に実行し、積極的に食育を展開していきたい。

 子どもたちに食育を進める上で、学校給食は特に重要な機会だ。基本計画には、栄養教諭が給食に使った地元の食材などについて教える食育指導の強化が盛り込まれた。地場産の食材を使う割合を高め、給食を通じた食育を一層充実させてほしい。

 食育指導の方法は、食材や料理のレシピなどを栄養教諭が教室で直接口頭で説明したり、校内放送で伝えたり、学校のホームページで紹介したりと、さまざまある。回数は19年度の全国平均が月9・1回だったが、基本計画では、これを25年度までに12回以上に増やすとした。

 友達と一緒に楽しく給食を味わうだけでなく、栄養教諭から丁寧な説明を受けることで、使われている食材や地域への関心は高まるだろう。帰宅後、家庭で食卓を囲む際の話題に上るかもしれない。食育指導の強化によって、より多くの子どもたちに食材を大切にする気持ちが養われ、地域への愛着が醸成されることを望む。

 食育に力を入れている学校の一つに五城目町の五城目第一中学校が挙げられる。栄養教諭らが地場産の野菜などを使った給食に工夫を凝らし、内容をホームページで詳しく紹介している。給食には地元の伝統食・だまこ鍋も毎年登場。その際は住民たちが学校に足を運んでだまこ作りに精を出す。学校と地域が一体となった食育の好例だ。

 特産品のジュンサイを活用した食育に取り組んでいるのは三種町。7月1日を「じゅんさいの日」と定め、この日をはじめ旬の時期には、町内九つの小中学校の給食にジュンサイを使った料理を出す。子どもたちにとって、地元の食材に親しみ、食への知識を深める大切な機会となっている。

 基本計画には、地域の伝統料理を継承する人材を増やすとの目標も盛り込まれている。給食を介した食育指導をきっかけに地元の食材に大きな関心を抱いた子どもたちの中から、地域の食文化を継承する担い手が現れることを期待したい。

 食育は生涯にわたり健全な食生活を送るための大切な基盤となる。ゆっくり、よくかんで食べることや、塩分を取り過ぎないことなども含め、子どもの頃から習慣づけることが肝要だ。

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