社説:緊急事態1カ月 リバウンド防止徹底を

お気に入りに登録

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け東京、京都、大阪、兵庫の4都府県で3回目の緊急事態宣言が出されてから1カ月になった。対象はその後拡大し、現在10都道府県に上る。

 感染状況を示す指標は、いずれも最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」が続き、期待されたほど効果は上がっていない。8県ではまん延防止等重点措置が適用されている。

 23日に追加された沖縄を除く9都道府県は31日に期限を迎える。解除を急ぐあまり、すぐに感染のリバウンド(再拡大)を招いては、医療の逼迫(ひっぱく)状況を解消できず、経済活動などへの悪影響がかえって大きくなりかねない。今はリバウンドが起きにくい水準にまで感染状況を改善することが最も重要だ。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は、10都道府県がいずれも22日時点で25人以上のステージ4。先行して宣言が出されたうち東京、京都は30人台で微減にとどまった。重症者数も過去最多を更新し、医療体制は依然、厳しい状況が続く。

 感染力が強い変異株のために宣言の効果が相殺された。加藤勝信官房長官が延長の可能性に言及したのは当然と言える。

 政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は指標が「ステージ3(感染急増)」に改善するだけでなく、さらに「ステージ2(漸増)」に向かうことがリバウンド防止に重要と指摘する。より感染力が強いインド株の流行も懸念される中、何としてもリバウンドを抑え込みたい。

 気掛かりなのは宣言発令が度重なった上、3回目の宣言が長期化する中、全国的に人出が増えていることだ。「ステイホームはもう限界」との国民の声もある。

 仮に宣言を延長する場合、外出自粛などの基本的な感染対策を改めて徹底する必要がある。対象の地域や期間をどうするかなども含め、国民の理解と協力を得るために政府、自治体が果たすべき責任は重大だ。

 宣言に伴う休業や営業時間短縮の負担は、飲食など特定業種に偏っている。負担を少しでも和らげなければ事業者の協力を得るのは難しいだろう。

 都道府県は、要請に協力する飲食店に「協力金」を支払っている。経営規模によっては減収を補うには不十分だという指摘がある。協力金と雇用調整助成金などを組み合わせ、休業中も家賃や従業員の給料などを支払えるように経営実態に合った支援が求められる。政府は予備費の活用を考えるべきだ。

 24日には首都圏1都3県と関西3府県の高齢者を対象に、自衛隊によるワクチン大規模接種センターが開設された。接種が加速するよう期待したい。

 多くの国民が接種を終え、社会として集団免疫を獲得できるまでさらなる長期戦が予想される。その間、医療崩壊を招くような大きなリバウンドを防ぐためには、今が正念場と言える。

秋田の最新ニュース