時代を語る・藤井けい子(1)私は「農家の母さん」

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泰山堂をバックに=5月13日
泰山堂をバックに=5月13日

 県内初の農家民宿「泰山堂」を経営する藤井けい子さん(72)に半生を語ってもらいます。

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 仙北市西木町小渕野で、農家民宿「泰山堂(たいざんどう)」を営んでいます。泰山堂は自宅敷地にある離れの建物で、白しっくいの木造2階建て。大工でもある夫の直市が設計し、建てました。

 市内には角館や田沢湖といった有名な観光地がありますが、ここは田んぼに囲まれた23戸の小さな集落。それでも県内外にたくさんのリピーターがいるのはありがたいことです。

 わが家は農家なので生計を立てるのは農業。民宿はあくまで副業だと考えています。無理をせず、お客さんは1日1組、5人まで。スケジュールを気にせず、のんびりと過ごしてもらうよう心掛けています。

 普通の宿とは随分違うんでしょうね。でも、そんな雰囲気を気に入ってもらっているのかもしれません。常連さんは私のことを「母さん」と呼んでくれるんですよ。

 元々農家民宿やグリーンツーリズムに興味があったわけではないんです。振り返ると、二つの出来事があって農家民宿を始めたように思います。

 一つは東京の和光中学校との交流です。修学旅行で劇団わらび座に来た生徒たちと昭和57(1982)年から交流しています。都会の子どもたちとの触れ合いで、ここの自然や田舎暮らしの豊かさに改めて気付くことができました。これが農家民宿という挑戦を後押ししてくれました。

 もう一つは平成6(1994)年9月にあった講演会。女優の浜美枝さんが、都会の人が農村に滞在する、ヨーロッパの農家民宿を紹介しました。日本でも需要があるはずだと、その日のうちに家族に相談。およそ2年後の8年7月にオープンしました。あれから間もなく25年になります。

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