北斗星(6月9日付)

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 トーチは全長71センチでアルミニウム製。重さは1・2キロ。片手で持って走るには結構重そうだ。東京五輪の聖火リレーが県内で始まった。1964年の五輪の聖火は白い煙をたなびかせるのが特徴だったが、今回は炎だけが揺らめく。こんなところにも時代の違いが感じられる

▼違いといえば、前回の聖火リレーは沿道やセレモニー会場に幾重にも人垣ができた。今回の人出は控えめ。あまり密集しないよう気を付けながら声援を送っているのが分かる。多少寂しいようだが、新型コロナウイルス感染防止のためにはやむを得ない

▼10都道府県で緊急事態宣言が続き、感染拡大の不安は拭えない。一方、五輪を目指し努力を重ねてきた選手たちが晴れ舞台で活躍するのを見てみたい。聖火リレーの走者も声援を送る側も複雑な思いに違いない

▼それでも声援に手を振って応える走者の笑顔の爽やかさに励まされる。トーチの先を互いに近づけ炎をつなぐトーチキスの際、2人の走者が披露するポーズも毎回工夫が凝らされて楽しい。きょう夕方まで2日間に計180人が14市町村を巡る

▼聖火リレーは実施中なのに五輪開催は今なお賛否が分かれている。菅義偉首相は「(国民の命と健康を)守れなければ実施しない」と発言。だが開催が可能となる具体的な基準は明言しなかった

▼五輪の先行きに不透明さが残る中、県民の思いもさまざまだろう。今は心を一つに感染防止を徹底し、聖火を次の青森県に無事引き継ぎたい。

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