北斗星(6月10日付)

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 鹿角市の国特別史跡・大湯環状列石の「日時計状組石」は現代人には時計の文字盤を連想させる。史跡は世界文化遺産への登録が勧告された北海道・北東北の縄文遺跡群の一部とあり、訪れる人も増えている

▼「時計状」とはいうが、組石が実際にどう使われていたのか想像をかき立てられる。少なくとも縄文時代の時の刻みは太陽の動きや季節の移ろいなど、もっとゆったりしたものだっただろう

▼令和になった2年前、シチズン時計が「新時代に減らしたい時間」を20~60代の働く人たちに聞いた。1位が通勤、2位は勤務だった。遠い将来、「最も見直されるだろう生活時間は」の問いにもこの二つが挙がったが、時代の変化は突如訪れた感がある

▼NHK放送文化研究所の昨秋の調査によると、一日の仕事に充てる時間は男性が初めて8時間を下回り、女性は5時間台に減った。10時間以上働く人も少なくなった。働き方の見直しに加えて新型コロナウイルスが影響した

▼感染防止のため、在宅勤務する人が増えて通勤自体も見直された。労働時間の減少には飲食業の時短営業などもあるから簡単に喜べるものでもない。先の調査では逆に増えた時間として、家事や子どもの世話を挙げた人がいた。早寝の一方、夜更かし気味になった世代もある

▼誰にも等しい24時間。労働や通勤の時間削減は「増やしたい時間」と合致しているだろうか。きょう6月10日は「時の記念日」。改めて時間の使い方を考えてみたい。

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