北斗星(6月11日付)

お気に入りに登録

 江戸時代の商家の娘さんが日傘を手に道を行く。振り袖姿でお供の女性と楽しそうに話しているように見える。女性で初めて文化勲章を受けた画家・上村松園の作品「桜可里能図(さくらがりのず)」。県立近代美術館(横手市)の「ときめく美人画展」で展示されている

▼環境省は一昨年、日傘を女性だけでなく男性にも使ってもらおうと「日傘男子」の啓発に努めた。熱中症対策に役立てるため日本百貨店協会などと取り組んだものの、街中で見かけることはほとんどない

▼日傘や雨傘は江戸時代に入って紙や竹細工の進歩により広く使われるようになった。秋田音頭では「秋田の国では雨が降っても唐傘などいらぬ…」とあり、大きな秋田フキを傘の代わりにすると続く

▼暦の上では傘の出番が増える入梅となった。本県が実際に梅雨入りするのは平年並みだと今月15日ごろになる。秋田地方気象台はその前後の天候が不安定なため、いつになるかは分かりにくいという。この時期の雨は作物の生育には大切だが、降り方によっては災害が心配になる

▼県内では、豪雨や台風に伴う河川氾濫や高潮で被害の恐れがある浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地している幼稚園やこども園、学校がある。避難計画の策定や避難訓練を徹底し子どもを守りたい

▼家庭での備えも欠かせない。普段から周辺の危険箇所を意識し、どこが避難先になるのかを把握しておきたい。傘やフキでしのげる程度なら恵みの雨かもしれないが、油断は禁物だ。

秋田の最新ニュース