北斗星(6月15日付)

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 ひところ御朱印の収集に凝り、最近はお参りそのものを目的に寺社巡りをすることが多くなった。祈るのは一日も早い新型コロナウイルスの収束。いつの間にか、普段持ち歩くバッグの中は厄よけのお守りだらけになった。増えるたびに苦笑している

▼先日は取材後、関東最古の神社といわれる鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)を参拝した。そこで目にしたのが、わらで編んだ10体の「大助(おおすけ)人形」。鹿島の神が東北平定の際に加勢した兵の姿とされる。太い眉毛やひげを墨書きしたいかめしい顔つきが印象的だった

▼地元には昭和40年代まで、疫病を防ぐため家の庭先や村境に人形を立てる風習があったそうだ。そこで神宮は昨年春、住民に人形作りを依頼。コロナ退散を願い半世紀ぶりに風習をよみがえらせた

▼わらで作る点や刀を持つ姿には、本県で継承される「鹿島様」や「鹿島流し」の習わしとの類似性が見て取れた。佐竹氏移封に伴って伝わったとされる鹿島信仰。その原点に触れ、胸が高鳴った

▼大助人形は風雨にさらされて1年余り。所々に傷みが出ている。お役御免にしてあげたいところだが、コロナ収束が見通せないため神宮は設置を続けるという

▼東京では繁華街への人出が増え、感染再拡大への懸念が高まっている。変異株の広がりも急だ。東京五輪の前に感染者が増えれば、菅義偉首相が強調する「安心、安全な大会の実現」は瓦解(がかい)しかねない。開幕は来月23日。それまでの推移を世界が注視している。

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