北斗星(6月18日付)

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 昨年5月、大仙市の雄物川河川敷で、1羽の見慣れない鳥が草むらを飛び回っているのに野鳥愛好家が気付いた。これまで市内で確認されたことのないオオセッカであると分かり、愛好家らが注目した

▼体長13センチほど。スズメぐらいだが、特有の鳴き声と飛び方で区別が付く。絶滅危惧種で、大潟村の大潟草原鳥獣保護区のほか青森、茨城、千葉3県のヨシ原など繁殖地が限られている。かつては“幻の鳥”とも呼ばれた

▼6~8月が産卵期で、巣があれば大仙でひながかえる可能性があった。ところが河川敷は刈り取り間近の牧草地。刈り取りが行われたら、ひなもろとも一巻の終わりになりかねない

▼結局、刈り取りは直前で延期され、草むらはひなが巣立つ可能性が高い8月いっぱい残された。オオセッカの希少性を訴えて、刈り取り延期を求めた日本野鳥の会県支部の熱意を、牧草地の管理団体が受け入れてくれたというから、心温まる話だ

▼何とかピンチをくぐり抜けたオオセッカだが、8月中旬には姿を消したという。最初の確認から85日目だった。どこから来て、どこに行ったかは分からない。河川敷での繁殖はかなわなかったようで、愛好家を落胆させた

▼今年もオオセッカの産卵期を迎えた。愛好家が毎日のように河川敷を訪れて飛来を待ちわびているが、今のところ目撃情報はない。昨年の大仙のもてなしに気をよくして大潟村に次ぐ県内第2の繁殖地として選んでもらえたら言うことなしなのだが。

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