「なぜ新屋に」疑問残されたまま 地上イージス計画停止1年

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 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画停止を政府が県と秋田市に直接説明してから、21日で1年。配備候補地だった陸上自衛隊新屋演習場の最大の問題は住宅地との近さだったが、計画断念を受けた住民説明会は今も開かれず疑問は解消されていない。政府が検討を進める代替策はコストの肥大化が懸念されており、迷走した計画の着地点はまだ見えない。


 地元で今もくすぶり続けているのは「なぜ、新屋演習場が候補地となったのか」という疑問だ。配備計画を巡り住民が最も問題視したのは、演習場と住宅地との近さ。計画の浮上当初から住民は、防衛省がその位置関係を軽視したのではないかという疑念を抱いてきた。

住宅との距離の近さに対する評価、言及なし


 防衛省はこの点で最後まで地元の理解を得られなかったが、計画断念に際して理由に持ち出したのは、迎撃ミサイルを発射する際の推進装置となるブースターの落下位置を制御するのが難しいという技術的な問題だった。昨年6月21日に河野太郎防衛相(当時)が来県した際もそうした説明に終始し、住宅地との距離をどう評価したのかとの報道陣からの問いに正面から答えることはなかった。

 また、この年の9月に公表した計画断念の経緯に関する検証結果でも、住宅地との距離に対する評価については言及しなかった。

 河野氏は「地元の皆さまにもしっかり説明したい」と知事や秋田市長らに約束。11月には、住民説明会を早期に行うよう県と市が東北防衛局に申し入れた。しかし新型コロナウイルスの影響もあり、住民が改めて疑問をぶつけられる機会は今も設けられていない。

 計画断念を受け、政府は現在、代替策として弾道ミサイル防衛に対応するイージスシステムを搭載した船2隻の新造計画を進めている。昨年12月18日、地上イージスの配備断念から半年の検討を経て閣議決定した。

イージス艦コスト、当初説明の1・3倍に


 この新たな計画を巡っては総費用の肥大化が懸念されている。2隻の導入費用は4800億~5千億円以上と試算され、これに維持費などが上積みされる。

 政府は、詳細な設計が固まっていないとして総費用を明らかにしていないが、共同通信は今年5月、政府関係者からの情報として、地上イージスの耐用年数に相当する30年間の維持整備費を含めたイージスシステム搭載艦2隻の総費用は9千億円近くに上るとの試算が防衛省・自衛隊内にあると報じた。

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