戦争記憶の継承、若者と考える 本紙・岡田記者が秋田大で記事解説

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 秋田魁新報では昨年8月以降、「祖父たちの戦争」「戦禍の記憶」という二つの連載で、戦争の記憶を伝えています。読者から手紙やメールで多くの反響が寄せられたものの、そのほとんどは終戦直後の生活を経験した高齢者から。若い世代は記事をどう受け止め、何を思うのかー。連載を担当した記者が今月、秋田大の学生に記事を解説し、戦争記憶の継承について共に考えました。(デジタル編集部・斉藤賢太郎)

戦争体験に関する授業で、意見を発表する学生=6月8日、秋田市の秋田大手形キャンパス

 記事解説は平和教育に力を入れる外池智教授(58)の協力を得て実施。連載を担当した岡田郁美記者(38)が6月8、15の両日、秋田大手形キャンパスへ出向き、教育文化学部の3~4年生12人が参加しました。

特攻隊で戦死した大伯父 遺書に抱いた違和感


 岡田記者は1回目の解説で、取材を進める端緒となった大伯父の遺書を紹介しました。特攻隊に加わり沖縄で戦死した大伯父が書き残したもの。「最大なる武運に会ひり」「一名たりとも残さず殲滅(せんめつ)せん」(原文ママ)といった文言が並び、「天皇陛下万才 靖国の御社(みやしろ)にて待つ」と締めくくられていました。

 読み終えた時、「あれ?」と思ったという岡田記者。当時の心境を、こう表現しました。

「特攻に行かされたかわいそうな人というイメージがあったので、勇ましい文言の数々に違和感を覚え、ギャップを感じました。この遺書をどういう風に捉えればいいのかなというところが出発点になりました」
 

自身が手掛けた連載について話す岡田記者。取材の出発点となった遺書についても説明した

 記録照会の「血縁の壁」、証言内容の真偽を確かめる難しさなどを詳しく解説。身内の戦争の記憶をたどった経験を踏まえ「家族だからこそ継承できる記憶がある」と伝えました。

 後継企画「戦禍の記憶」からは、飢えと病で極限状態に陥った兵士の手記、旧満州(中国東北部)で終戦を迎えた家族の引き揚げの足取り、戦中の学校生活や空襲についての証言などを取り上げました。

「人の醜さ、動物的な部分が出るのが戦争」


手記のノートにあった走り書き。「土民の子供を射殺」「人間の骨まで・・・他島では殺してまで」などの言葉が並ぶ

 記事の中で、多くの学生が印象に残ったエピソードとして挙げたのが、フィリピン・ミンダナオ島で従軍した県内の男性(故人)の手記です。男性は終戦を信じられず、8カ月間飢えや病と闘いながらミンダナオ島で過ごしました。

 手記には、栄養失調で衰弱し自殺した兵士や、鉢合わせした現地住民に発砲した兵士の様子が書かれていました。極限状態の中で「戦友の遺体を頂く事になってしまった」(原文ママ)という記述もありました。

 学生たちは言葉を慎重に選びながら、こんな感想を口にしました。

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