北斗星(6月29日付)

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 学生時代に欧州を旅行した際、どうしても訪れたかった場所がある。サッカースタジアムである。ちょうど日程が合い、イタリア1部リーグ(セリエA)のローマ戦チケットを入手。いざ会場へと出発した

▼高らかに応援歌を歌う地元ファンと一緒にバスを乗り継いだ。観客席のあちこちで発煙筒がたかれ、グラウンドの四隅には警備のドーベルマン。2月にもかかわらずスタジアムは熱気にあふれ、本場ならではの高揚感に包まれていた

▼あれから30年。日本国内でもサッカー熱が高まり、地元ブラウブリッツ秋田は今季からJ2に昇格した。現在22チーム中、13位につけ上位をうかがう。13日に敵地で行われた町田戦ではディフェンダー加賀健一選手が左足で豪快なボレーシュートを決め、勝利を手繰り寄せた

▼チームの精神的柱として献身的なプレーを続ける加賀選手は潟上市出身の37歳。地元愛は競技場の外でも発揮されている。その一つがスポンサー契約を結ぶ秋田中央交通の路線バスの車内アナウンス。スタジアムが近づくと、それまでの女性の声に代わり、加賀選手の力強い声で「次は文化会館・八橋球場前」とアナウンスが流れる

▼加賀選手はさらに自己紹介し、来場と応援を呼び掛ける。乗客は「ん?」と耳をそばだてる。運転手も機械操作を間違えたのではないかと戸惑うという

▼それなら狙いは成功。宣伝効果は十分ありそうだ。あとはチームが白星を重ね、多くの市民に足を運んでもらうだけだ。

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