北斗星(7月11日付)

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 小学校の給食にはまれにチーズが出された。家の食卓に登場しない食べ物のためか苦手だった。同級生たちにもチーズ嫌いは珍しくなかったと思う

▼食べられるようになったのは女子転校生の「チーズを食べられないの」という標準語の一言のおかげ。「んだわげねべ(そんなわけないだろう)」と強がって無理して食べたところ、苦手なはずのチーズが案外おいしかったのだ

▼そんな半世紀も昔のことを思い出したのは、県外の民間企業トップを務めた女性が県理事に就任したニュースを目にしたから。理事は庁内や県内企業の女性活躍推進を担うという。招請は「転校生の一言」のような効果を期待してのことではないかと思った

▼内閣府男女共同参画局が都道府県別の「地方公務員管理職に占める女性の割合」の地図を公開している。列島の地図を濃さの異なる赤4色で色分けした。割合が高く最も濃い赤は鳥取県、2番目に濃いのは東京都と岐阜県だ

▼東北6県のトップは3番目の濃さの山形県。宮城など4県は最も薄い赤だ。本県はといえば全国で唯一の「白」。塗り忘れではなく格段に低い数値ゆえだ。女性活躍における本県の現状を明確に示す資料といえよう

▼周回どころではない大きな遅れだが、改善への取り組みを始めないことには何も変わらない。新理事は以前の職場でも女性活躍の推進などに着実な実績を残してきた。その言葉に気付きや励ましをもらいながら、一歩一歩前へ進むときではないか。