北斗星(7月14日付)

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 熱湯風呂でもがいたり、バンジージャンプで絶叫したり…。タレント出川哲朗さんは体当たりのリアクション芸で笑いを取るのが身上だ

▼中でもザリガニに鼻を挟ませ、「痛い」と顔を真っ赤にしてもん絶する「鼻ザリガニ」は鉄板芸。誰もが一度は目にし、腹を抱えた経験があるのでは。だが、彼を人気者に押し上げたこの十八番はもう見られなくなるかもしれない

▼環境省は生態系への影響が深刻な米国原産のアメリカザリガニを「特定外来生物」に指定する検討を始めた。水路や池でよく見掛ける生き物だが、指定されれば販売や野外への放出は禁じられる。捕まえても安易に別の場所へ移さないなど、取り扱いには注意が必要になりそうだ

▼このザリガニが日本に持ち込まれたのは94年前。食用ガエルの餌や食材、教材に利用され、逃げた個体が繁殖した。たちまち全国に広がり、水生昆虫の補食や植物帯の破壊、在来種の駆逐といった問題が起きている

▼外来ザリガニを「身近な厄介もの」にしたのは人間だが、このまま野放しにはできない。ただ特定外来生物に指定しても駆除には相当の年月や労力を要するだろう。何より懸念されるのは飼い主が指定後に扱いに困って一斉に野へ放すことだ

▼個体数を減らすための規制が一層の増加につながっては本末転倒。外来種は生態系を脅かす恐れもあるといま一度周知を図りたい。子どもが捕まえてきたらどうするかといった相談の窓口も設ける必要がありそうだ。

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