北斗星(7月28日付)

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 一見何の変哲もないような景色が、専門家の目にはとても興味深い地形ということがままある。秋田市太平を流れる太平川にもそんな一面がある。専門家の間では常識らしいが、最近知って少々驚いた

▼元々は二つの川があったらしい。一つは太平山麓の源流部から真っすぐ南に流れて三内川に合流していた。これとは別に、現在の野田集落付近から西に流れる川もあった。南流していた川で土石流が発生、流れがせき止められて西にそれ、もう一つの川と一体になったと推定されるという

▼こうして今の太平川ができた。一方の川の上流部を他方の川が奪う「河川争奪」と呼ばれる自然現象である。「地図の風景 東北編2」(そしえて文庫)に教えられた

▼河川争奪は普通、川が数万年単位でゆっくり地形を浸食した末に起こる。最後に一方の川に他方の川の水が流れ込んで一つになる時は、水量がどっと増えて大洪水になることもあるらしい

▼河川争奪による災害は起きるとしても通常なら数万年かかる。それとは違い、近年は全国各地で壊滅的な被害をもたらす豪雨や洪水が頻発するのが気掛かりだ。「これまで経験したことのない大雨」「50年に一度の大雨」といった言葉を何度聞いたことだろう

▼台風8号がきょう未明にも列島に上陸、東北地方を横断する可能性が高いようだ。かつて災害は忘れた頃にやって来ると言われたが、最近の災害は忘れる間もなくやって来る。くれぐれも厳重な警戒を心掛けたい。

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