北斗星(7月29日付)

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 100回目の夏の甲子園で金足農業高が準優勝した3年前、歴代優勝校の傾向を調べた。日本経済の中心である「太平洋ベルト」に位置する17都府県のうち16都府県は優勝した高校がある一方、日本海にだけ海岸線を持つ9府県中の8県からは、優勝校が出たことがない

▼「経済力や人口などの地域性がチームの総合力に反映された結果では」というのが、野球史研究家の見方だった。太平洋側と日本海側の違いに今また遭遇している。新型コロナウイルスの感染状況である

▼27日時点での都道府県別の累計感染者数は少ない順に鳥取672人、島根683人、秋田997人、福井1503人、徳島1748人。5県のうち4県が日本海側に位置している

▼人から人へと感染を繰り返していくウイルスである。太平洋側に比べて交通網の整備が進んでおらず、県境を越えた人の往来が相対的に少ないという特性などが、感染者数に色濃く反映されているのだろう

▼昨年1月以降、本県の人口10万人当たり感染者数は東京の14分の1以下にとどまる。太平洋側との格差から、かつては「裏日本」と呼ばれたが、こと新型コロナの感染リスクの低さに関しては優位性が逆転している

▼感染症の脅威は裏日本の「地域性」の再評価を迫り、移住者や企業進出の増加につながるかもしれない。その結果、甲子園優勝校が誕生することだって…。そんな夢を見つつこれからもせっせと手を洗い、密を避ける生活に徹することにしよう。

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