北斗星(8月3日付)

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 アサガオやかき氷、風鈴などが描かれた「おぼんだま」のぽち袋が秋田市の秋田中央郵便局に並んでいた。正月のお年玉と同様、お盆に帰省した子供へ小遣いを渡す習慣で、これが近年「お盆玉」として徐々に定着しつつある

▼「いつもなら手渡していたお盆玉 郵送に添え『来年来てね』」。昨年9月の本紙文化欄の歌会・句会コーナーに掲載された潟上市飯田川短歌会の佐藤こう子さん(74)の作品だ。離れて暮らす家族に会えない「コロナ禍の夏」の切ない心情を託した

▼佐藤さんには千葉県に住む中学生の孫娘がいる。ところが千葉を含む首都圏3県に緊急事態宣言が出された。「来年来てね」の願いは今夏、お預けになった。佐藤さんは「孫の背丈が母親を追い越したと聞いて再会を楽しみにしていましたが、もう少し我慢です」

▼「都道府県境を越える旅行・帰省は原則、中止か延期を」。オンラインでコロナ対策会議を開いた全国知事会がメッセージを発した。佐竹敬久知事はワクチンを2回接種した高齢者が県外の子や孫の帰省を促す可能性を警戒。「我慢してほしい」と訴える

▼知事会は政府に国民の行動変容を促す強いメッセージを求めている。しかし国民に我慢を強いるだけでよいはずはない。政府の危機感が伝わる対策が必要だ

▼コロナ禍の中で盆も正月も帰省できない家族、迎えられない家族が大勢いる。その双方のつらさは察するに余りある。次の正月、来夏こそは再会をかなえてもらいたい。

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