社説:熱中症対策 高齢者などに目配りを

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 暑い日が続き、熱中症の危険が高まっている。体温の調整機能が低下している高齢者や、未発達な乳幼児は特に注意が必要だ。喉の渇きや体温の上昇を自覚しないまま危険な状態に陥る可能性もある。家族や地域の人々の目配りが欠かせない。

 県内は先月後半から最高気温30度以上の真夏日が目立つ。19~25日の1週間に113人が熱中症の疑いで搬送された。真夏日が少なかった昨年7月の1カ月間と比べると2倍近い。全体の7割が65歳以上の高齢者で、このうち90代と80代の計3人が亡くなった。

 乳幼児の搬送は比較的少ないが、県外では死亡例も出ている。福岡県では保育園児5歳が送迎バス内に長時間取り残されて死亡。千葉県では母親が車内に残した1歳児が亡くなった。

 真夏の車内は短時間で温度が急上昇するので危険だ。日本自動車連盟(JAF)の実験では、外気温35度、車内25度でエンジンを停止すると15分ほどで車内は40度に達した。子どもが眠っていることや、短時間であることなどを理由に、車内に残してはいけない。

 熱中症リスクは気温だけでなく、湿度、日射、風なども影響する。こうした条件を加味した国際指標「暑さ指数」が毎日、環境省の熱中症予防情報サイトで公表されている。屋外で活動する場合の参考にしたい。

 指数が一定値を超えると予想される場合、環境省と気象庁は今年から、前日の夕方や当日の早朝に「熱中症警戒アラート」を発令している。アラートが出たら外出や運動は中止するのが望ましい。

 県内では先月21日に初めてアラートが出され、今月2、3日にも連続であった。最初の発令中、湯沢市の畑で90代男性が倒れ、亡くなっている。

 過去5年間に県内であった熱中症による救急搬送数を月別に見ると、8月が多い傾向にある。秋田市の過去5年間の日別最高暑さ指数では、5段階で最も発症リスクが高い「危険」が8月に10日間あり、残りの21日間は次にリスクが高い「厳重警戒」だった。今夏も連日、対策を意識する必要がありそうだ。

 喉が渇いていなくても1時間にコップ1杯程度の水分を補給し、涼しい場所で休憩するように心掛けたい。大量の汗をかいた際は塩分も忘れずに取ろう。

 屋外だけでなく屋内で発症する場合もあるので要注意だ。エアコンや扇風機を使い、温度管理に努めたい。高齢者は喉の渇きや暑さを感じにくいので、周囲が声を掛けてほしい。

 昨年に続き熱中症対策と新型コロナウイルス感染予防の両立が求められる夏だ。マスクは感染予防に必要だが、熱中症のリスクは高まる。屋外で人との距離が2メートル以上離れているときは外した方がいい。水分補給や、室内の換気と温度管理、涼しい服装などに気を配りながら、暑い日々を乗り切りたい。

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