北斗星(8月7日付)

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 県内で過去に最も高かった気温は39・1度。1978年8月3日に能代市で観測した。ところが当時の本紙記事を調べていて、それを上回る記録を見つけた。50年8月9日、増田観測所(現横手市増田町)での41・0度だ

▼もっとも、記事は「参考記録」としている。地域気象観測システム(アメダス)の運用が始まる20年余り前で測定法が異なる上、葉タバコの集出荷を扱う日本専売公社増田出張所に委託しての観測だったからだ

▼アメダス運用が始まって以降、国内最高は2018年7月23日の埼玉県熊谷市と20年8月17日の静岡県浜松市で観測された。ともに41・1度だった。参考記録とはいえ、肉薄するデータが本県にあったとは驚きだ

▼「秋田県気象百年史」(秋田地方気象台)によると、増田は小坂(小坂鉱業所)などと共に「篤志家による観測」が行われた数カ所の一つ。1935年から64年まで運用。外部の委託先として観測の一角を長年支えた場所だった

▼この頃はよろい戸に覆われた百葉箱での観測だった。周囲の環境や風の状況によっては、内部に熱がこもり気味だった可能性もあるだろう。そうだとしてもエアコンなどは普及していない時代だ。厳しい暑さだったのは間違いない

▼当時実際に使われていた記録簿が気象台にある。ロッカーから取り出してもらうと、細いペン字が整然と並ぶ中に「41・0」という数字が確かにあった。どんな一日だったのか。71年後の酷暑の中、想像を巡らせた。

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