北斗星(8月9日付)

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 マスクはしていても、晴れ晴れした笑顔と分かった。東京五輪の閉会式に臨んだ各国選手らの表情だ。競技を終えた解放感にあふれた雰囲気も伝わってきた

▼日本勢は柔道男女で金銀を獲得した7月24日を皮切りにメダルラッシュ。大半の競技が無観客でも大いに盛り上がった。メダルの有無にかかわらず、数々の熱戦が記憶に刻まれたことは言うまでもない

▼一方で新型コロナウイルスの大きな記事が紙面に載らない日はなかった。開会式のあった23日に国内が4225人、東京は1359人だった新規感染者数は連日のように過去最多を更新し、いまや3倍にまで増えている

▼感染拡大の原因を五輪と断じることはできない。ただ五輪の開幕後、感染者の急増が続いていることは事実。大会について関係者は「安全な運営に成功」と総括したがこれに首をひねる人は少なくない。開催都市や国が危機に直面する現状からもこの総括に納得するのは無理というものだ

▼「コロナに打ち勝った証し」としての五輪も、「安全・安心な大会」も現実からは程遠かった。ただ五輪までに実現できなかったとしても「コロナに打ち勝つ」ことを一日も早く達成しなくては

▼世界ではコロナに限らず、さまざまな感染症との闘いが待ち受けているのかもしれない。「どうしてみんなマスクをしているの」。いつの日か感染症が克服され、東京五輪の開閉会式の写真や映像を見た人々が不思議に思うような未来を迎えられたらと願う。

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