北斗星(8月18日付)

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 秋田市郊外の県道沿いに街路樹のサルスベリが咲き誇っていた。真っ青な夏の空に映える鮮やかな赤い花だ。花期が長く、漢字では「百日紅」。「散れば咲き散れば咲きして百日紅」(加賀千代女)の句の通り、新しい花を次々と咲かせ続ける

▼庭木としても人気が高い。白やピンクのサルスベリが黄色のヒマワリと並ぶ姿もこの季節ならではだ。ところが季節は一転し、お盆前からめっきり涼しい。夜には虫の音も聞かれる

▼本県が秋めいてきた頃、西日本の各地では真夏の豪雨が降り始めていた。佐賀県や長崎県では11~16日に降った総雨量が既に千ミリを超えた地域もある。その雨量は年間降水量の半分近くにも達するというから驚かされる

▼梅雨末期のような前線の停滞による大雨だという。広い範囲で河川の氾濫や土砂災害が発生。多くの犠牲者も出ている。各地で起きている浸水被害も深刻だ

▼3年前の西日本豪雨も前線の停滞が招いた。この豪雨のような自然災害が瀬戸内地域で起きる頻度は地球温暖化の影響により3・3倍に増えたと、気象庁などの研究チームが報告している。異常気象の回数が増えたとの肌感覚を数値化した研究という

▼大量の温室効果ガスを排出する人間の営みが異常気象を増やし、自然災害を多発させている現実から目をそらしてはならない。温暖化対策で世界に後れを取る日本。花や虫の音に季節の移ろいを楽しめる環境を守り、後世に残すために一刻も早く本腰を入れなくては。

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