北斗星(8月22日付)

お気に入りに登録

 水色のキャンバスにはけで描いたような薄い雲が見えた。もくもくと立ち上がる真夏の入道雲とは随分姿が違う。この雲を目にすると秋も近いという気分になる。あすは「処暑」。暑さが峠を越える頃だ

▼空を見上げた後、足元に目を移す。秋田市郊外の田んぼでは、重たげに穂がこうべを垂れていた。葉には数個の水玉が輝く。セミの鳴き声が響く中、風が吹き抜けると、稲が触れ合ってさわさわと鳴った。実は硬い。しっかりと充実しているようだ

▼この時期はついコメに思いを巡らす。まず気になるのが出来だ。県内の作柄は「やや良」の見込み。このまま順調に育てば3年続けての豊かな実りとなる。あと1カ月ほどで新米の季節。さて、どう味わおうか

▼楽しみ方はさまざまだ。炊きたてに筋子か塩ザケ。塩むすびもいい。コメのうまさが引き立って、育ててくれた農家にきっと手を合わせたくなる。複数銘柄を試すのはどうだろう。あきたこまちの実力に改めて気付くかもしれない

▼県内はコメを巡る話題が相次ぐ。来年度の本格デビューを前に県の新品種サキホコレがこの秋、先行販売される。刈り入れは来月20日ごろになるそうだ。大潟村では先月、県内初のパックご飯製造工場が本格稼働した

▼大雨や猛暑、肌寒くなった後の暑さのぶり返し。近ごろの天候を見ると、稲刈りまで穏やかな日が続くよう願わずにはいられない。新米を無事に口にできるのは、自然の恵みと農家の汗のたまものなのだから。

秋田の最新ニュース