北斗星(8月23日付)

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 あす開幕の東京パラリンピックで国立競技場の聖火台にともされる火は五輪の聖火とひと味違う。47都道府県とパラ発祥の地とされる英国ストーク・マンデビルで採火した炎を一つにまとめた聖火だ

▼国際パラリンピック委員会はパラの聖火を「応援する全ての人の熱意が集まることで生み出す」存在とする。現在住む地域や古里の火も加わっていると思えば聖火に親しみが湧き、大会が一層身近に感じられるだろう

▼本県では25市町村で採火された。各地の特別支援学校の児童生徒らがおこした火をはじめ、竿燈のちょうちんの火、西馬音内盆踊りのかがり火など多種多様。地域の特色がよく表れている

▼隣県でもそれぞれ郷土色が感じられる採火が行われた。山形市では立石寺の「不滅の法灯」、岩手県釜石市では近代製鉄発祥を記念する「ものづくりの灯」などから採火。青森市の三内丸山遺跡では7市町から届いた火が、縄文風衣装をまとった代表者らの手で一つになった

▼東日本大震災や阪神大震災の被災地、沖縄戦最後の激戦地、原爆の爆心地などでは犠牲者や戦没者を悼む火からも採火された。全国の慰霊や平和祈念の火が合流した意義は大きい

▼東京パラではスポーツを通じて「共生社会」の実現を目指す。気掛かりなのは五輪開幕時とは比較できない新型コロナウイルス感染状況だ。選手はもちろん、市民の安全最優先が求められる。感染防止を徹底した大会運営で、聖火に誓って理念を実現させたい。

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