北斗星(8月26日付)

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 朝起きたら左腕が上がらない。平熱だったので、いつも通り出勤した。新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種翌日に現れた副反応。思いの外、痛みが強い。今から2回目の副反応が少々気になる

▼人類は大昔から感染症と闘ってきた。「日本書紀」によると、およそ1700年前、大半の人々が疫病で死亡したというからすさまじい。ワクチンのない時代、人は疫病になすすべがなかった

▼現代は医療が格段に発達した。にもかかわらず、感染力の強い変異株「デルタ株」が世界中でまん延し、収束の気配はうかがえない。国内では若い世代の感染が増加。接種を敬遠する人が多いことが懸念されている。荒唐無稽な陰謀論や科学的根拠に乏しいデマを流すインターネット情報の影響もあるとみられる

▼デマは差別に結び付きやすい。ペストが流行した14世紀の欧州では「ユダヤ人が井戸に毒を入れた」とのうわさが広がり、ユダヤ人排斥が激化した(石弘之(いしひろゆき)著「感染症の世界史」)。感染症と差別の歴史は表裏一体であることが分かる

▼会員制交流サイト(SNS)で容易に情報発信ができる現代だからこそ、自分がデマの発信源にならないよう戒めたい。無責任な情報は遮断し、信頼できる情報を入手する努力が大切だ

▼多少副反応があっても、ワクチンには重症化予防という大きな効果がある。夏休み明けの学校での感染拡大も心配だ。子供を守るには大人が感染しないことが第一であるのは言うまでもない。

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