北斗星(8月27日付)

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 夜の繁華街にスナックや居酒屋などの看板が明るく浮かび、キャバレーのネオンはけばけばしいほどに輝く―。40年ほど前の秋田市川反地区だ。飲食店を経営する男性が趣味の8ミリカメラで撮影していた

▼その映像を収めたDVDを借りて見た。BGMは「ネオンに雨の降る夜は」で始まる「川反ブルース」。哀愁を帯びたメロディーが流れる中、多くの人々やタクシーが行き交う場面からはにぎわいが感じられた

▼撮影した男性が当時を語る表情はにこやかだったが、最近の話になると一変した。約30年前のバブル経済崩壊や、10年余り前の金融危機リーマン・ショックを乗り越え、人口減少の中でも頑張ってきた。「だが、この新型コロナだけは…」。最後は言葉にならない様子だった

▼金融機関から多額の借金をして営業を続けている。店を開けなければ収入はゼロ。開けても客は少なく赤字が続く。閉店することも考えたが、これ以上は悪くならないと信じて踏みとどまっているという

▼飲食業者でつくる県や秋田市の団体は先日、県に経済支援を求めた。佐竹敬久知事は同行した国会議員に政府がしっかり対応するよう逆に要望。国の予算措置が必要だとした

▼苦境に立たされているのは飲食業者だけではない。医療現場の逼迫(ひっぱく)は深刻さを増し、国民の不安が強まっている。そうした中で自民党は総裁選に突き進む。政局よりコロナ対策を議論する臨時国会を開くべきだとする声は、届いていないのだろうか。

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