社説:県民意識調査結果 若者の働く場確保急げ

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 県民の満足度が最低なのは「若者にとって魅力的な働く場の確保」―。県が2021年度県民意識調査の回答を基に、主要施策に対する満足度を算出したところ、こんな結果が出た。調査が現行形式となった19年度以降、同じ項目が3年連続で最低となった。

 人口減少にいかに歯止めをかけるかは県政の最重要課題だ。その鍵を握る若者の県内定着、回帰に向けた施策を巡り、県民の不満が大きいことが改めて示された。県は真摯(しんし)に受け止め、若者の働く場確保の取り組みを強化する必要がある。

 調査は今年5~6月、18歳以上の県民5千人を対象に実施。県政運営指針「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」で掲げた主要施策34項目について5段階で評価を尋ね、満足度を数値化した。

 他に満足度が低かった項目は低い順に「企業誘致が進んでいる」「地域経済をけん引する企業が増えている」で、最低だった「若者の働く場確保」も含めいずれも経済、雇用に関するものだった。産業振興や雇用創出を重視してきた佐竹敬久知事にとっては厳しい評価と言える。

 自由記述の回答では、「若者が進学してそのまま就職先を県内で探せるようにしてほしい」「県外就職した若い人たちが秋田の魅力を再確認して、今まで勉強したこと、経験したことを秋田に戻って生かせる職場を確保してほしい」などの意見が並ぶ。若者にとって魅力的な働く場とはどんな職場なのか。まず、その分析を急ぐべきだ。

 県内の雇用情勢を見ると、求職者1人当たりの求人数を示す有効求人倍率は、新型コロナウイルス禍でも1倍を大きく上回る状況が続く。人手不足の傾向が顕著となり、企業の採用意欲が高まっていることが背景にある。直近の7月は1・62倍と過去最高だった。

 雇用の「量」は確保されていると言える。それにもかかわらず、若者にとって魅力ある働く場がないと多くの県民が感じている。仕事の内容や待遇といった「質」が伴っていないからだと見るべきだろう。

 佐竹知事は「魅力とは給与だ」と指摘し、大都市部より低い賃金水準の向上に重点を置く姿勢を強調。実現に向け、中小企業の統合による規模拡大や業態転換を支援するとともに、脱炭素やデジタルといった成長分野で雇用創出を図るとしている。

 だが、いまだ具体的な道筋は見えていない。4期目の今期を最後の任期とする知事の手腕が問われる。

 県内の高校、大学などの卒業時に県外流出する例を減らし、県外進学者の県内回帰を進めることが重要だ。県は県内外で学ぶ若者らを対象に、就職先を選ぶ際に何を重視するかを尋ねる初のアンケートを先月末から実施している。若者のニーズをしっかり捉え、働く場の確保策に反映させなければならない。

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