社説:県コロナ経済対策 事業者支援、全力挙げよ

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 県は新型コロナウイルス感染拡大による県内経済への影響に対処するため、総額約30億円の経済対策を打ち出した。厳しい経営環境が続く飲食店や関連事業者に支援金を給付するほか、利用者が減少する宿泊施設などを支えるため、県民の冬季の利用を促す助成制度を創設する。

 コロナ禍は既に1年半以上も続いており、今なお収束の見通しが立っていない。営業不振が長引き、もう限界という事業所もあるだろう。多くの事業所が廃業し、雇用が失われる事態は避けなければならない。県は事業継続に向けた支援に全力を挙げるべきだ。

 県が独自に設けた5段階の警戒レベルは8月に「4」に引き上げられたまま。同月は、医療機関などでクラスター(感染者集団)が相次ぎ、県内の月別感染者数は過去最多の604人に上った。大人数の飲食や県境をまたぐ往来は自粛が求められ、飲食店や観光関連業者にとって深刻な状況が続いている。

 秋田商工会議所は客足がほとんど途絶えた飲食店もあるとして、緊急対応を県に要請。県は、開会中の9月県議会に関連経費を盛り込んだ2021年度一般会計補正予算案を提出した。

 支援金は5~8月受け付けの事業(1事業者30万円)に続く第2弾。今回は飲食店だけでなく、酒類や食材などを飲食店に提供する関連事業者を対象に追加。一律30万円の給付方式も改め、以前の売上高に応じて30万~300万円を給付する。「月の売上高が5割以上減」としていた支給要件は「年間売上高2割以上減」に緩和した。

 1回目の支援金は約2600事業所が申請。第2弾では一層多くの事業者に支援金が行き渡り、経営改善に役立つことを期待したい。県は10月下旬にも受け付けを始める考え。経営環境は日々厳しさを増しており、早期の給付を目指すべきだ。

 観光分野では県民による冬季の宿泊施設利用を促すため、定価から割り引いて宿泊プランを提供するホテルや旅館に対し、割引額(上限1人1泊5千円)を助成する。また土産物などの購入促進を図り、1泊当たり千円のクーポンも発行。国の事業を活用した宿泊費補助事業「あきた県民割」キャンペーンが12月末で終了するため、後継事業として来年2月まで実施する。

 冬季は例年観光客が少なく、宿泊施設が苦戦する時期だ。さらにコロナ禍が重なり、県境をまたぐ移動の自粛解除の見通しが立たない以上、県民による県内観光を進め、宿泊施設を支えていくことが不可欠だ。

 宿泊施設側も自慢の食や温泉などの魅力を前面に打ち出したり、スキー場や樹氷といった観光資源を生かしたりして、県民にアピールする宿泊プランの提案に努めてほしい。県は、そうした冬場の観光資源の開拓、県民へのPRもバックアップし、コロナ後の観光振興にもつなげていくことが求められる。

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