北斗星(9月15日付)

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 「うな重」か「えび天重」か。将棋タイトル戦の対戦者の昼食が「勝負めし」として注目されている。ネットではおやつまで詳しく伝えられていた。近年はスポーツ専門誌が将棋特集を組むなど、過去に見られない人気ぶりだ

▼藤井聡太二冠が豊島将之叡王(えいおう)を破り、王位、棋聖に続くタイトルを獲得した。10代初、19歳1カ月での三冠。羽生善治九段の最年少記録を28年ぶりに塗り替えた

▼2016年の14歳プロデビュー以来、若武者の快進撃に手が付けられない。17年に史上初の「永世七冠」を成し遂げた羽生九段が平成の覇者なら、藤井三冠は早くも令和の覇者としての存在感を示す

▼プロにはそれも自明なようだ。阿川佐和子さんの対談集「この棋士に会いたい」(文芸春秋刊)で、人気棋士の先崎学九段は「数十年に一回、この人間はレベルが違うって人が現れる」とまだ無冠時代の藤井三冠を評している

▼無敵ぶりを発揮し、平成の将棋界を支えてきた羽生九段も50歳。その羽生九段がタイトルから遠ざかると、しばらく群雄割拠といった様相が続いていた。それがここにきて徐々に藤井色が広がりつつある

▼藤井三冠は来月から豊島竜王に再び挑む。「四冠の快挙を」と期待するファンは多いだろうが、豊島竜王の奮起を望む方もおられよう。一方で羽生九段の通算獲得タイトルは99期。熱いドラマにはまだ続きがある。記念すべきタイトル100期目を令和の若武者から奪取する対局を見てみたい気もする。

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