佐竹氏遺宝展(3)松竹梅蒔絵髢箱 重厚な2色の対比

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「松竹梅蒔絵髢箱(しょうちくばいまきえかもじばこ)」
幅167センチ×奥行き20センチ×高さ20・5センチ
天徳寺蔵

 婚礼で花嫁が持参する身の回りの道具を婚礼調度という。写真は身分の高い女性が用いる添え髪である髢(かもじ)を収納する箱で、婚礼調度の一つ。藤巴(ふじどもえ)紋があることから、直方(のおがた)藩主黒田家の出身で、1716(享保元)年に5代秋田藩主佐竹義峰の夫人となった利姫(1702~45年)の持ち物だった可能性がある。

表面にあしらわれた松竹梅の金蒔絵


 表面に金蒔絵(きんまきえ)で松竹梅をあしらい、松の葉の一枚一枚、梅の雄しべの先まで丁寧に表現している。松の幹や根元の土は高く盛り上がった蒔絵になっており、重厚である。幅167センチという大きな器面に枝が伸び、梅が咲き誇る様子は壮観だ。

 婚礼調度の中には、国宝「初音の調度」のように隙間なく金蒔絵を施し、全体が金色の輝きを放つ贅美(ぜいび)な品も少なくない。対して本品は黒漆との対照が美しく、金蒔絵を引き立たせている。全面に金蒔絵を施した方が高級には違いないが、それに劣らない魅力がある。

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佐竹氏遺宝展―守り継がれた大名家資料―

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